
試験本番に強くなる方法
受験生の皆さんは「本番に強いタイプ」ですか?
それとも「本番に弱いタイプ」ですか?
本命志望校の入試日というのは、1日しかありません。人生の分岐点は1日しかないのです。「本番に弱い」で今までの苦労を水の泡にしてしまうのはとってももったいないことですね。
本記事では、本番に強い受験生になるための方法をご紹介いたします。
緊張するメカニズム
試験本番当日、絶対に皆さんは大なり小なり、緊張をしてしまうでしょう。
「緊張」の正体をわかっておくことは、緊張と付き合ううえでとても大切なことです。
では緊張とは、いったいどんなメカニズムで起こるのでしょうか。
緊張状態というのは複雑な仕組みではなく、ノルアドレナリンが過剰分泌され、交感神経が活発になり、自律神経のバランスが取れていない状態です。この状態を「緊張状態」といいます。
心理的に言うと、実は、人は緊張したくないと思うと逆に緊張してしまうようになっています。これは心の拮抗作用といって、一つのことを考えると逆にもう一つのことが浮かぶ状態です。なので、緊張したくないと思ってしまうことは逆に緊張ということを考えてしまう結果になるのです。
本番に弱い人の特徴
緊張しない人というのはいません。本番に強い人も、弱い人も少なからず緊張はしています。緊張してないという人は、緊張に気が付いていないだけで、少なからず体も心も変化しています。
では、本番に弱い人というのは、本番に強い人と何がちがうのでしょうか。
本番に弱い人は良く言えば、まじめ・完璧主義な人です。本番に強い人がまじめではないというわけではないのですが、本番に弱い人の特徴の1つとして過度にまじめで完璧主義であるがゆえに緊張してしまうという結果があります。
まじめな人は「自分を過小評価」してしまう!?
まじめなゆえに、「まだできていない」「足りないところがある」と考えてしまうために緊張してしまうのです。「自分はできている」「完璧だ」と自信に満ち溢れている状態では人はあまり緊張しません。「まだできていない」「足りないところがある」と思うと、そのことに考えがフォーカスして体がこわばるのでどんどん結果が出せなくなってしまいます。
また、まじめであるがゆえに、そもそもの目標設定が高すぎるということがあります。目標に到達できていない、と本番に自分を追い込んでいることがあります。これが自分の過小評価につながってしまいます。目標が高すぎるがゆえに、「目標に達していない」=「自分はできていない」と過小評価してしまうのです。
目標に達していても、達していなくてもここまで努力してきたことは変わりませんから、努力する目標は高くてよいのです。しかし、自分の目標設定がそもそも高すぎていたのだからだれもそこへは到達できない、自分はとても良く頑張ったと、自分の今までの努力を認めてあげることが大切でしょう。
また、他人からの評価を気にしすぎることも、過度に本番に弱くなってしまう原因です。
試験当日はみんな自分のことでいっぱいなのですが、本番に弱い人は、「おどおどして見えているかも・・・」など他人からの評価を過度に気にしすぎる傾向にあります。自分をよく見せたいという思いも緊張につながっていきます。
ということは、本番に弱い人が本番に強くなるためには、「緊張に強くなる」「気楽に考える」「他人の目を気にしない」ということも必要かもしれません。
緊張を和らげる方法
緊張を和らげるのにみなさんはどんなことをしますか?
観客をジャガイモと思う、など昔から言われますが、緊張の正体や本番に弱い人の特徴がわかったところで、今回は試験当日に備えて試験当日に使える方法をお話ししましょう。
試験前日の夜、睡眠はしっかりととりましょう。
特に受験生はぎりぎりまで勉強したい!と前日徹夜をしてしまいがちですが、前日の睡眠はとても大切です。もし、前日に復習していてわからないところがあると、より「勉強が足りない」と思い緊張してしまいます。自分に自信をもって、受験勉強をやり切ったぞと思い、良いイメージトレーニングをしながらぐっすり睡眠をとりましょう。
寝ていないということは案外メンタルにも影響しますし、試験の当日に万が一眠くなってしまったり、電車を乗り過ごしたりしては大変です。ちょっと早く寝るくらいが受験前日はちょうどよいのです。
会場には早めにつきましょう
会場に少しでも早くついておくことは非常に重要です。会場にぎりぎりでついた場合、心臓がどきどきしています。それを体が緊張だと認識してしまっては、元も子もありません。早めについてゆっくり準備をして、お手洗いに行くくらいの余裕が大切です。
会場に早く到着し、雰囲気に慣れておけば、ほかの人よりも落ち着いていられますし、なによりほかの人よりもちょっと会場に慣れていて有利であると思え、安心することもできるでしょう。
事前に会場の下見をしておくのも重要です
初めての場所に行くとき、どきどきしませんか?そのどきどきが緊張につながってしまいます。
『何度も行っている』『慣れているところに行く』ようにすると、試験当日に無用などきどきをしなくてすみます。特に第一志望の学校には2,3回足を運ぶとよいでしょう。足を運ぶことでより志望校に対する思いが強くなることもあります。試験の会場の近くにお気に入りのスポットを見つけ、帰りによってみたり、神社でお参りしたりしておくと、より安心感が増すでしょう。
自分の感情に気が付きましょう
例えば、「今、自分はとても緊張している」「緊張してしどろもどろになっている」など客観的に自分の感情を認めましょう。そうすると、少し楽しくなってきたり、どきどきが収まったりすることがあるでしょう。無理に緊張していない!などと思う必要はありません。その会場にいる人はだいたいみんな緊張しています。自分だけではなくほかの人も緊張しているのですから、今私は緊張していると認めてしまった方が楽ですよ。
その他に…ほかの人を見て緊張していることがわかると落ち着いてくる場合もあります。人間観察をしてみるのもおすすめです。
ただ、この人間観察については、人を見ると余計に緊張してしまう人もいるので自分が、どちらのタイプか把握しておくとよいでしょう。
緊張を無理に抑え込まないようにしましょう
「緊張しないようにしよう」と思うと、心の拮抗作用が働いて、人は余計に緊張してしまいます。ドキドキしても顔が赤くなっても、これが自然であり私は今とても緊張していると思いましょう。
ストレッチをしてみましょう
実は緊張しているとき人の体はこわばっています。そうするとより心臓は、血液を全体に送るために全力で働くので、どきどきして無用に緊張状態を作り出してしまいます。
ちょっと伸びをしてみたり、首を回してみたり、体の緊張が解けると、自分自身の緊張も解けていきます。早く会場についてリラックスして首を回す、伸びをするなど自分なりのリラックスできるストレッチをしてみてください。ただし、やりすぎて注意されてしまわないよう小さめの動きをお勧めします。
そのリラックスしてストレッチしている姿は、周りから見たら余裕そうに見えてほかのライバルたちが緊張してしまうかもしれませんね。
ポジティブなことを考えましょう
緊張している状況をふまえて、「あれだけ勉強したのだから大丈夫」と思いましょう。
本番に弱い人の特徴でもお話ししましたが、まじめで完璧主義の人は、まだ足りないと思いこみ緊張しています。
でも、「ここにいる誰よりも頑張ったぞ」「一生懸命勉強したぞ」と自信をもって本番に挑みましょう。緊張しているということは、「自身が頑張った結果を出したい」という気持ちの表れです。頑張らなかった人は緊張もしません。一生懸命勉強した自分自身をほめて認めてあげてください。そうすることで、大丈夫、と気持ちが落ち着いてきます。その時に大きく深呼吸して酸素を取り込むのも、リラックスしてポジティブになれる要因です。
「ここまでくればもう大丈夫!」
「緊張しても仕方がない!」「あとはもうやるしかない!」
この、もういいや!やるしかないというのは実はとても重要です。本番に強い人というのは、このもういいや!やるしかない!がずば抜けて得意です。
最後に
最後に重要なお話です。緊張は何度もしているうちに、しなくなります。
初めて電車に乗った時、緊張しませんでしたか?でも今は、電車に乗るとき緊張しますか?
他にも・・・始めて小学校に行ったとき、初対面の人と会話をしたとき、どうでしたか?学校の門を毎朝くぐるとき、その時と同じ緊張をするでしょうか?
実は、人は毎日していることはあまり緊張せずに行うことができます。
なので、何度か「疑似本番」を本番と想定してどきどきしながらやってみてはいかがでしょうか。練習をしておくという行為は、とても重要です。スポーツでも練習試合などがあるのは、本番を経験しておくためでもあります。受験日を想定して塾の模擬テストを受けてみるなど、緊張する状況をあえて自分から作るようにして本番に慣れておくことがとても大切です。これはイチロー選手もやっていたことで、本番を本番と思わない、たくさん本番の経験を積むことで本番と思わなくするそうです。
一流の選手も皆さん緊張はするそうです。でも、毎日試合に出ているうちに緊張しなくなるそうですから、疑似本番の経験をたくさん積むことも1つの方法です。
ここまで、たくさんの緊張を和らげる方法をお伝えしてきましたが、皆さんが取り入れられそうなことはありましたか?
疑似本番は、とっても大切です。中でも、事前に会場を下見することは最も重要な疑似体験の1つです。
受験当日という大事な1日を、緊張とうまく付き合い良い1日にできるよう、ぜひ簡単にできることから1つ1つチャレンジしてみてください。